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◇令和3年度の路線価が公表されました
1. 路線価とは
路線価とは、土地にかかる相続税や贈与税などの税金を計算するための基準となる価格です。毎年1月1日時点の全国の主な道路に面する標準宅地、およそ31万地点の1㎡当たりの価額(千円単位で表示)を、国税庁が毎年7月1日に公表します。その年1月1日から12月31日までの間に相続や贈与により取得した土地について、贈与税や相続税の計算する上での土地の評価に使用します。その金額は地価公示価格の概ね80%程度とされています。
※地価公示価格とは国土交通省が「取引価格の目安」として毎年発表している地価
令和3年度中に行われた贈与及び発生した相続については、令和3年7月に公表された路線価を使用します。(出店:国税庁ホームページ「財産評価基準書路線価図・評価倍率表」)
2. 令和3年度の路線価の傾向
【全国】
令和3年度の路線価は、コロナ禍の第1波から第3波の影響が地価に織り込まれた初めての路線価です。全国の標準宅地の前年比の変動率の平均値は6年ぶりに下落に転じて▲0.5%、東京都は▲1.1%で8年ぶりの下落となりました。
47のうち39の都道府県が下落し、上昇したのは北海道、宮城県、千葉県、福岡県、佐賀県、熊本県、沖縄県の7県、変わらなかったのは山形県の1県のみでした。
都道府県庁所在都市の最高路線価も上昇したのは8都市(昨年38都市)と大幅に減少、17都市で横ばい、22都市が下落しています。
最も上昇率が大きかったのは、仙台市青葉区中央1丁目・青葉通りで、3.8%上昇(前年:9.7%上昇)。以下、千葉市中央区富士見2丁目・千葉駅前大通りの3.5%上昇(同:9.6%上昇)、宇都宮市宮みらい・宇都宮駅東口駅前ロータリーの3.4%上昇(同:13.7%上昇)と地方都市は上昇率が小さくなっていますが、上昇傾向が続いています。
東京国税局管内で上昇率が一番高かったのは横浜市神奈川区鶴谷屋町2丁目 鶴屋橋北側の7.0%上昇で292万円/㎡、再開発が進む横浜駅周辺への期待感が表れた格好です。
全国で下落率1位は地価変動補正率が設定された大阪市中央区心斎橋筋2丁目で26.4%下落、東京国税局管内では台東区浅草1丁目の雷門通りで11.9%の下落となりました。コロナ禍により国内外の観光客が激減したことの影響が地価に現れる結果となりました。
36年連続全国の最高路線価の東京の銀座5丁目の銀座中央通りは、9年ぶりに下落に転じて4,272万円、7.0%の下落となっています。
【多摩地域】
武蔵府中税務署管内の令和3年度の最高路線価は、「調布市小島町1丁目の調布駅北口駅前広場」の185万円/㎡(前年度:186万円/㎡)で、対前年比で▲0.5%(前年度+14.8%)の下落ですが、調布市、府中市は都心へのアクセスのよい郊外として人気が高く地価は、横ばいの地点が多くなりました。
国税庁は今後、年の途中で大幅に地価が下落した地域が確認された場合には、令和2年分と同様、路線価等の補正を行うことを検討するとしています。東京オリンピック・パラリンピック後、ワクチン接種が進みコロナ禍が終息に向かうと、地価相場は変わってくると予想されます。地価の動向にしばらく注意が必要です。
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