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約40年ぶりに2018年3月13日民法の改正案(民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律案)が提出されました。
1.配偶者の居住の権利
2.遺産分割等に関する見直し
3.遺言制度に関する見直し
4.遺留分※1制度の見直し
5.相続の効力等に関する見直し
6.特別の寄与
7.その他家事事件手続法の一部改正
※1遺留分とは相続人に法律上確保された最低限度の財産
上記の7項目が今回改正内容の主なものになります。その中のひとつ、「1.配偶者の居住の権利」について紹介します。
高齢化が進み、残された配偶者が生活に困窮するのを防ぐ仕組みの一部として、それまでの住居に自らが死亡するまで住み続けられる「配偶者居住権」を新設する案を提出しました。これまでも建物の所有権があれば、住み続けられましたが、その分預貯金等、生活するのに必要な資金が不足することになります。「所有権」ではなく「居住権」は売却する権利がない分、評価が少なくなり、そのため生活する資金は多く確保できます。
例えば、評価額2,000万の建物と3,000万の預貯金を配偶者とその子供で相続した場合、現行の場合5,000万の半分を各々相続することになり、配偶者が評価額2,000万の住居の「所有権」を得た場合、預貯金は500万のみとなってしまいます。「居住権」の場合、評価額が1,000万でも預貯金は1,500万となります。遺産分割が終わるまで、それまでの住居に住める「短期居住権」も新設する予定です。
参考:法務省HP:民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律案:日本経済新聞
相続を巡るトラブルが解消できるための改正であるようですが、今後どのように整備されていくかによって相続の対策や検討の必要性が生じてきます。
(この原稿は、2016年5月の法令に基づき、記載しております。)