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1. 概要
9月19日に国土交通省より平成29年版の基準地価が発表されました。
全国の商業地が前年比0.5%上がり、2年連続で上昇しました。訪日客の増加で店舗やホテル用の土地が上がり、都市部では再開発がけん引役となっています。東京の銀座はバブル期の価格を26年ぶりに更新しています。
日銀の大規模金融緩和も地価上昇につながりました。また、外国人投資家の動きを含め、マネーが地方にも流れ、上昇した商業地は17都府県となり、地方圏の下落率も0.6%と前年より0.5ポイント改善しています。
一方で、全国の住宅地は前年比0.6%のマイナスとなり、26年連続の下落ですが下落幅は8年連続で縮小しています。
2. 基準地価とは
都道府県価格調査とも呼ばれ、国の公示地価と似たような位置付けになっており、毎年7月1日時点の地価が国土交通省より9月に公表されます。
この基準地価は民間企業などの土地取引の指標となっており、既に立っている建物の形態等に関係なく、最も土地を有効に活用した場合を想定して、1平方メートル当たりの価格を算出しています。
平成29年度の調査地点数は、全国21,644地点に上り、調査対象範囲が広いため公示区域外の地価を知りたいときには重要な指標となります。
3. 多摩地域の基準地価
多摩地域の住宅地については、平成28年は前年比で+0.6%の上昇でしたが、平成29年は前年比で+0.7%の上昇、上昇幅が拡大しました。
商業地については、平成28年は前年比で+1.8%の上昇でしたが、平成29年は前年比で+1.9%の上昇となり、こちらも上昇幅が拡大しています。
府中市、調布市、狛江市の「住宅地」における変動率は下表のとおりです。
市 名 |
平成28年変動率 |
平成29年変動率 |
府中市 |
+0.9% |
+1.1% |
調布市 |
+1.1% |
+1.0% |
狛江市 |
+0.5% |
+0.8% |
多摩全域 |
+0.6% |
+0.7% |
☆府中市、調布市、狛江市のいずれも、多摩全域をほぼ上回る上昇となっています。 |
H29年度も多摩地域の住宅地において変動率の上昇があり、基準地価が上昇すれば、路線価も上昇し、相続税も増加することが考えられます。
毎年の基準地価の動向には注目して、必要に応じて相続税シミュレーションの検討も必要となってきます。
(参考:日本経済新聞 平成29年9月19日、財務局 平成29年 東京都基準地価格の概要他より)
(この原稿は、2016年5月の法令に基づき、記載しております。)