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◇ 平成28年分基準地価 発表
1. 概要
9月20日に国土交通省より平成28年版の基準地価が発表されました。
全国商業地が前年比0.005%のプラスと小幅ではありますが9年ぶりの上昇となります。
外国人観光客の増加や、主要都市の中心部などでは店舗やホテルの需要が旺盛であったこと、またオフィス需要が堅調に推移したことで商業地としての収益性を高めていると思われます。
また地方圏においては、マイナス金利でだぶついたマネーが中核都市に流れ込み、札幌、仙台、広島、福岡の4都市の商業地上昇率は6.7%と三大都市圏の2.9%を大きく上回っており、上昇基調を強めている傾向にあります。
2. 基準地価とは
都道府県価格調査とも呼ばれ、国の公示地価と似たような位置付けになっており、毎年7月1日時点の地価が国土交通省より9月に公表されます。
この基準地価は民間企業などの土地取引の指標となっており、既に立っている建物の形態等に関係なく、最も土地を有効に活用した場合を想定して、1平方メートル当たりの価格を算出しています。
調査地点数は全国約21,700地点に上り、調査対象範囲が広いため公示区域外の地価を知りたいときには重要な指標となります。
3. 多摩地域の基準地価
多摩地域の住宅地については、平成27年は前年比で+0.7%の上昇でしたが、平成28年は前年比で+0.6%の上昇にとどまり、上昇幅が縮小しました。
商業地については、平成27年は前年比で+1.4%の上昇でしたが、平成28年は前年比で+1.7%の上昇となり、こちらは上昇幅が拡大しています。
多摩地域の住宅地において変動率の高い地点は、良質な住環境が形成された区部近郊の鉄道沿線地域で、戸建住宅画地を中心に現われています。基準地価が上昇すれば、路線価も上昇し、相続税も増加することが考えられます。
毎年の基準地価の動向には注目して、必要に応じて相続税シミュレーションの検討も必要となってきます。
(参考:日本経済新聞 平成28年9月21日朝刊、財務局 平成28年 東京都基準地価格の概要他より)
(※この原稿は、2016年05月の法令に基づき、記載しております。)