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「特定居住用財産の買換え特例」は課税の繰り延べであるため非課税になるわけではありませんが、購入時に(納税)資金の流出が防げるためマイホームの買換えには欠かせない特例となっています。
この特例の適用期限が平成25年12月31日までとされていたのですが、譲渡資産の譲渡対価の要件が、「1億5千万円以下」から「1億円以下」に引き下げた上で2年延長されることになりました。
当初この制度の適用除外は一部の富裕層に限られていた感がありました(平成22年では2億円以下)が、今回「1億円以下」に引き下げられることで都市部に住む一般の方も適用除外の可能性が大きくなります。
Aさんは自己の居住の用に供している不動産(取得費、譲渡費用は7千万円)を1億2千万円で売却し、替わりに1億3千万円の住宅を購入しました。
譲渡益(5千万円)の課税関係はどうなるでしょうか?
【改正前】
譲渡対価:1億2千万円 ≦ 上限金額:1億5千万円
譲渡対価:1億2千万円 ≦ 購入金額:1億3千万円
∴譲渡はなかったものとされる ⇒ 今回の税額は0円
【改正後】
譲渡対価:1億2千万円 ≦ 上限金額:1億円
∴本制度の適用は受けられない ⇒ 居住用3千万円の特別控除
+14%(※)の軽減税率による課税
(5千万円-3千万円)×14%=280万円
※所有期間10年超、課税所得6千万円以下の場合、住民税含む
なお、今回の改正は遡及して平成26年1月1日以後の「譲渡」から適用されますのでご注意ください。
国税庁によるとNISA(少額投資非課税制度)の口座開設数は2013年末時点で約475万件となり、政府が2020年の目標とする1500万件の約3分の1に到達した模様です。
更なるNISA口座の開設増加を図るために、政府は制度の一部を使い勝手の良い方向へ見直すことを閣議決定しました。
【改正前】
・ 開設後4年間は口座開設金融機関の変更ができない。
・ 一度開設したNISA口座を廃止した場合4年間は再開設ができない。
【改正後】
・ NISA口座を開設する金融機関について、1年単位での変更を認める。
・ NISA口座を廃止した場合、再開設することを認める。
これにより投資家の利便性を向上させて制度の利用を促進し、経済成長に必要な資金供給の拡大を図る狙いがあるようです。
年内には政府目標の半数クリアが見込まれると予測されていますが、個人金融資産の半分以上が現預金に冷凍保存されている日本において資産運用が拡大、定着していけるのかは今後注目すべきところです。
(※この原稿は、2014年04月の法令に基づき、記載しております。)