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平成27年の税制改正において、一定の空き家の敷地に対する固定資産税等の軽減措置が見直されることになりました。
現在、空き家の総数は増加し続けており、今後も人口減少により全国的な空き家の増加が懸念されています。特に、管理が不十分になった空家は、火災の発生や建物倒壊、衛生面や景観面に悪影響を及ぼすなど、さまざまな場面で問題となっています。こうした空き家対策への重要性の高まりを背景として、今回、空き家に対する固定資産税の軽減措置に関して改正が行われました。
市町村長が空き家(特定空家等)の所有者等に対して周辺の生活環境の保全を図るために必要な措置をとることを勧告した場合に、当該特定空家等に係る敷地について固定資産税等の住宅用地特例の対象から除外することとされました。
<固定資産税等の住宅用地の特例>
区分 |
【改正前】 |
【改正後】 |
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固定 資産税 |
都市 計画税 |
固定 資産税 |
都市 計画税 |
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空き地(更地) |
何も建物が無い状態 |
減額の適用無 |
減額の適用無 |
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小規模住宅用地 |
200㎡以下の部分 |
1/6 |
1/3 |
1/6 |
1/3 |
一般住宅用地 |
200㎡超える部分 |
1/3 |
2/3 |
1/3 |
2/3 |
一定の勧告を受けた 特定空家等の敷地 |
200㎡以下の部分 (小規模住宅用地) |
1/6 |
1/3 |
減額の適用無 ※ここが改正された 部分になります。 |
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200㎡超える部分 (一般住宅用地) |
1/3 |
2/3 |
改正前は、固定資産税が最大1/6まで、都市計画税が最大1/3まで、
減額されていた部分ですので、特例の対象から除外となった場合には、
毎年の固定資産税の年税額に大きな影響を与えることとなります。
その定義について、「空家等対策の推進に関する特別措置法」(平成26年法律第127号)の中に次のように規定されています。
「空家等」…『建築物又はこれに附属する工作物であって居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地』
「特定空家等」…下記に挙げるような状態にある「空家等」
① 倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
② 著しく衛生上有害となるおそれのある状態
③ 適切な管理が行われないことにより著しく景観を損なっている状態
④ その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態
上記の様な「特定空家等」に該当し、市町村長から一定の勧告を受けた場合に、当該特定空家等に係る敷地が固定資産税の住宅用地の特例の対象から外れることとなります。
これまでは空き家を解体すると土地の固定資産税等が上がってしまう為、解体をしないで空き家として残している所有者も多くいたことが、現在の空き家増加の原因となっていました。しかし、今後は、適切な管理のされていない空き家の敷地については、更地並みの固定資産税が課税されることになるため、空き家の適切な管理又は解体、敷地の有効活用を検討する必要がありそうです。
(※この原稿は、2015年06月の法令に基づき、記載しております。)